恋色流星群

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天国のスパで癒されて「goodnight lady」の優しい言葉に嬉しくなり。

つるんつるんの肌でスパルームの扉を開けると。



隣のフィットネスルームからタイミング良く出てきた、これまたつるんつるん肌の男の子。






『あ、チョコ♡』


普通に鉢合わせて、普通に目が合ったので。

普通に、声をかけてしまった。









「・・・理沙子?

え、え、理沙子?!?!?!」








チョコの反応で思い出す。


まずい。

ここ、ハワイでしたね。







もし私が人間図鑑を作るなら、「驚く人」として掲載したいくらい。
完璧に驚きを表現し、何度も目をパチパチするチョコを前に。

私の脳内でリフレインする、瀬名ちゃんの警告。





「ホテル内を出歩くときは、気をつけてくださいね。もちろんメンバーも同じホテル内にいますから。
撮影さえ終われば、全然会ってもらっていいんですけど・・・」





ごめん、瀬名ちゃん。


早速、見つかりました。




















「まじかー・・・
いやー、ほんと驚いたわ・・・」




未だに信じられない表情で、私をガン見するチョコと向かい合わせ。
ホテルのバーでモヒートを飲んでいた。




「正直、自分が絡まない時点で女優さんが誰かなんて気にもしなかった。笑
やーーー、しかしまさか理沙子だったとは。
直生さんすげぇ、スカウトマンか。」

『あの、チョコ。この件はどうか内密に・・・汗』

「内密って。笑
言わない言わない。あとはバレちゃまずいの、どうせ航さんでしょ?」

『いやー・・・ま、航大もそうだろうけど・・・
どっちかっつーと、航大よりも、』

「なに?」

『要さん、な気がする。』


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