恋色流星群

15♯陽斗side


「演技教えてよ」と航に冗談を飛ばしながらヘアメイクしてもらっていると。

チョコの視線に気づいた。






「どした?」

チ「あ、いや。陽斗さん、明日のジェットスキー来る?」

「うん、行くよって言ったじゃん。」

チ「そっか。」



自分で聞いておきながら、何となく、上の空な返事に。

チョコも疲れてんだな、と思った。



航「ここのジム、どうだった?昨日走ったんでしょ?」

航の問いかけにも

チ「うん。あー、でもまぁまぁだったよ。きれいだったし。」


と、またしても歯切れの悪い返し。


俺は航と一瞬目を合わせて、「今日終われば、あとは1日オフだから。がんばろうな。」と、チョコの肩を叩いた。





チ「陽斗さん、今日の上がり何時の予定?」

「22:00。あくまで予定はね。笑」

チ「そっか、じゃあ打ち上げも二次会から参加だ。」


何かを考えるような、チョコの様子が気になりながらも。

「要さん、お願いします」とスタッフに呼ばれ、部屋を後にした。









久しぶりに、演技をするPV撮影。

歌うシーンを上手いこと撮られるのには慣れたけど。
台本的なものに合わせて動くのには、まだまだ慣れない。

まして、それに合わせて歌う演技も。




下手して、打ち上げ三次会から参加なんてならないように。


特に今回は、外部からの女優さんらしいから。
ハワイと言えど、夜の風はまだまだ冷たい。俺のせいで長引かせるわけにはいかない。



大きく息を吐いて、気合いを入れた。


< 54 / 311 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop