恋色流星群
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数度のリハーサルを終えて、一旦プール際に上がる。
さ、さむい。。
瀬名ちゃんが後ろからバスタオルで抱きしめてくれるけど。水からあがってしまったことで肌が風に触れ、体温が更に奪われるようだった。
目を閉じて、メイクを直してもらう。
いよいよ日が落ち、風が冷たくなってきた。
ここからが、本番。じきに要さんがやって来て、撮影が始まる。
「理沙子さん。これ、飲んで。」
瀬名ちゃんが渡してくれたのは、ジンジャーの香りの紅茶。
「がんばってくださいね」
空いた両手で、また私をギュッと後ろから抱きしめた。
大丈夫、がんばる。
瀬名ちゃんにも直生さんにも。
私を選んでくれた恩を、返すからね。
紅茶を飲み切って、またプールの水の中へ戻る。
ヘアメイクさんが、一緒に腰まで水に入り、髪を整えてくれる。
すごいな、この人も冷たいだろうに。
こうやって、全員で一つの作品を作ってるんだな。
「要さん、入りまーす!」
スタッフさんの声で目を開け、拍手のする方を振り返った。