恋色流星群
8
久しぶりにあの夢を見た。
なんであんな昔のこと、思い出したんだろう。
窓の外に広がるのは、相変わらず完璧な青色。
瀬名ちゃんの持ってきてくれた炭酸水を片手に、バルコニーに出ると。
柔らかい風に全身が包まれる。
お天気いいなあ。みんな今頃ビーチで楽しめてるかな。
ほんとは私も。
楽しみにしてたのにな、この3日目。
次にこんな長い休みが取れて、ハワイに来れるのなんて。いつになるだろう?
寝覚めに見た夢のせいか、心がシクシク痛んだ。
自分に言い聞かせる。
もともと遊びで来たんじゃないんだから。休みが取れないほど求められる仕事があるのも、とってもありがたくて恵まれてること。
日本に帰ったら、またがんばろう。
“仕事”という単語で、ふと葵ちゃんの顔が浮かんだ。
やばい、まだアヤちゃんのお土産も買えてなかった・・・
私がいない間、楽だったわけがない。クッキー5箱で労わなきゃね。
シャワーを浴びて、DFSに行こうと思い立つ。
私の帰るべき場所で待つ、愛すべき人たちを思いながら。