恋色流星群
連続で打ち上がる、花火の音。
息を止めたときにはもう、航大との距離はなくなっていた。
唇に柔らかな感覚。
ああ、キスされてる、と気づく。
何度も何度も短く
角度を変えて
唇が柔らかく啄ばまれるたび
強張っていた体の力が抜けていく。
私の右胸を震わせる
航大の左胸。
何年も何年も
あんなに遠かったのに
私たちの心臓は
あっさり、くっついてしまった。
時々聞こえる。微かな、私の名前を呼ぶ声。
存在を確かめられているようで、きゅうっと胸がしまる。
押し寄せる甘い目眩の中で、うっすらと唇を開けてしまったのは。
酸素が欲しかったからなんかじゃない
私が大馬鹿野郎だからだ。