恋色流星群


「いつまでも自慢に思ってもらえるように、がんばります。」




体操座りをして膝に顎を乗せる彼女に。目線を合わせて言うと。

顔を上げた彼女は、目がうるうると濡れていて。
泣いてるのかと錯覚するほど。


綺麗だな、と素直に思った。







「あたしの自慢は、直生さんれすから。ながーーく、そばにいさせてくださいね。」






やくそくー!とハイタッチするように手を出してきた笑顔に。

心臓を、掴まれた。

たぶん酔っ払って言ってるんだろうけど。








“あたしの自慢は、直生さん”







俺の心臓のど真ん中を撃ち抜いて

そこから体中に熱を運んだ。









「瀬名さん、東京に戻ったら、またこうして誘ってもいいかな?」


「いーとも~!」



きゃっきゃっと笑う彼女に、つられて笑みがこぼれる。

覚えてないだろうな、こりゃ。笑








ドンッという、音と。

パラパラと流れる音。







見上げれば、俺たちを包むように降ってくる

大輪の花。




「まら、花火あったー!」



小さな手を合わせて、うっとり夜空を見上げる彼女の横顔に。

感じたことのない感覚を覚える。









誰かに自慢だと言ってもらえたことなんて


生まれて初めてだ。









この世界でただ一人でもそんな味方がいたら






どんな場所でだって、

踊れる気がする。
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