(仮)センセイに恋の法律相談

と、その時だった。

ドルルルルル…

耳をつんざく轟音と大地を伝う振動。


キョロキョロする間もなく、
庭に面した細い路地道から物凄い速さで進入した真っ黒の　“怪物”　が、私の目の前でエンジンをふかして急停止した。

ブウンッ。

え、なに何！？


驚いた私は、すっかり腰を抜かしてしまった。
みるとそれは真黒のバカにでかいバイク。まさに　“怪物＝モンスター”だ

その上に、これまた全身真黒の男が乗っている。

呆気にとられて見ていると、男はマシンから颯爽と降りたち、私の目の前に仁王立ちした。

これはきっと…

ひっ、ヒトサライだ‼
お父さんとお母さんを拐った一味に違いない！

「たっ……」

(タスケテー！)
向こうに助けを呼ぼうにも声が出ない。
恐怖で、涙なんかはもちろん止まった。


が、黒いヘルメットを被ったままのそいつは私を捕まえようともしないで、何もせずにじっと私を見下ろしている。