私って、男運がないと思うんです

目が合ったまま、こちらに進んで来た岡田さんは

少し身をかがめて、私の耳元で

「それ、俺じゃないよね」

と呟いた。


気まずくて返答ができないでいると

「でも、あの人でもないよね?」

と岡田さんはお店の入り口付近に目を向けた。

その視線を追うと、森さんと話す陽さんが居た。


頭が真っ白になって、軽くめまいがした。

そんな様子を面白がるように見ていた裕美さんは

「咲季ちゃん。さっきの話だけどさ、シンプルにその人とずっと一緒にいたいって思うかじゃない」

と、さっきの質問の答えをくれた。


ま、私も結婚してないしわかんないけどね

と付け足しながら。



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