私って、男運がないと思うんです
「陽さん、痛いです」
腕をつかむ陽さんの手に触れると
「あ、悪い」
エレベーターを降りたところで立ち止まった。
「さっきの、いいんですか。岡田さんに誤解されちゃったんじゃ」
「誤解?」
「いや、何かあるんじゃないかって前、聞かれたので。余計、誤解されちゃいますよ」
「誤解じゃないだろ」
「そうかもしれないですけど…。いやいや、まずいでしょ」
何も気にしていない様子の陽さんに、ちょっと腹が立ってきた。