私って、男運がないと思うんです

「あー、そうなんですか。残念です。咲季ちゃん、酔うとますますかわいいですよね。え?そう。2人ですよ、今日も」
握った手を親指でなでたり、ぎゅっと強く握ってみたり、手で遊びながら楽しそうな顔をして話していた。

ぎょっとしながら、されるがままになっていると

「あいつ酔ってんの?」

という予想通りの声が電話から漏れ聞こえてきた。


「なんか悪い男に遊ばれてるみたいで、へこんでて。つけこんじゃおうかなーとか。あ、仕事中なのに長々すみません。では、また」


いきなり電話を切った岡田さんを軽くにらんで

「何考えてるんですかー」

と怒った。



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