私って、男運がないと思うんです


「じゃあ、いいじゃん。ここの方が便利だろ。帰ってきたらさ、ここに居てよ」


反応がこわくて、恐る恐る彼女をみると満面の笑みを浮かべていて
さっきまでのぼーっとした様子から一変し、素早く起き上がって抱き着いてきた。


「いいんですか!?簡単に出てけって言わないでくださいね」


喜びをいっぱいに表現してくれる彼女がかわいくて





「あぁ。ありがとう――――――咲季。」





はじめて彼女の名前を口にした。


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