私って、男運がないと思うんです
「起きて」
髪をなでる優しい感触に目を覚ますと
白シャツにデニムを身に着け
すっかりいつものスタイルが出来上がっている陽さんがいた。
ぼやけた目を合わせると、柔らかく微笑んでキスを落としてくれた。
「俺仕事だから出るんだけど、出るとき鍵してポスト入れといて」
と鍵を手渡された。
うなずくと、もう1度優しいキスをして陽さんは出掛けていった。
時計を見ると、まだ7時すぎ。
最後に意識があった時、外はもう明るくなっていた。
陽さん、タフだなーと思いながら
家主のいない家に居座るのも申し訳なく
散らばっていた服を身に着けた。