私って、男運がないと思うんです


「起きて」

髪をなでる優しい感触に目を覚ますと
白シャツにデニムを身に着け
すっかりいつものスタイルが出来上がっている陽さんがいた。

ぼやけた目を合わせると、柔らかく微笑んでキスを落としてくれた。

「俺仕事だから出るんだけど、出るとき鍵してポスト入れといて」

と鍵を手渡された。

うなずくと、もう1度優しいキスをして陽さんは出掛けていった。

時計を見ると、まだ7時すぎ。

最後に意識があった時、外はもう明るくなっていた。

陽さん、タフだなーと思いながら
家主のいない家に居座るのも申し訳なく
散らばっていた服を身に着けた。

< 57 / 202 >

この作品をシェア

pagetop