私って、男運がないと思うんです

リアンのコンペが終わり
自分でクライアントに仕掛けていた案件が動き出した。

そのため、あくまでサポートで入っていた私はリアンの企画本番からは外れ、自分の仕事に集中することになった。

だから幸か不幸か、陽さんとの接点もなくなった。

きっと「幸」のはずだ。

あの記憶を封印しようと強く思った。




―――――――

「ブソルの企画みたよ。咲季ちゃん、やるねー」

クリエイティブとの打合せの後
コーヒーを買いに入ったリフレッシュルームで森さんに声をかけられた。

「森さんにそう言ってもらえると、すごい嬉しいです」

えへへ、と頬が緩んでしまった。


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