私って、男運がないと思うんです


ひとまずトイレに入り

うるさいくらい早く打つ胸を押さえながら

この規模のパーティーだと、そりゃ来てるよね

と冷静に頭を働かせようとした。


どうしよう
と戸惑う気持ちがある一方
いつものジーンズ姿と違って
ジャケットを羽織った小ぎれいな陽さんは
とってもカッコよく
思い出して呑気にキュンとしている自分もいた。


そんな自分にあきれつつ
こんな顔、岡田さんに見られたらおしまいだし
会っても何ひとついいことがないこと気付いて

「よし、帰ろう」

と決めた。


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