私って、男運がないと思うんです


岡田さんに一言挨拶をしようと会場内を探していると

「あ、咲季ちゃん、いたいた」

という陽気な声をかけられ、後ろを振り返って、ぎょっとした。



なんで、一緒にいるのよ――


「お疲れ様です」

と2人に向けて精一杯の笑顔をつくり

「そろそろ失礼しようかと思ってたんです。お料理、期待以上に美味しかったです。連れてきて下さってありがとうございました」

岡田さんだけを視界に入れて
焦りを見せないように
あえてゆっくり言い切った。


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