私って、男運がないと思うんです
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「あんた、ますますバカになってない?」
お互い忙しいのが一段落して
久々に会った亜紀からは、今日も辛らつなコメントが飛んできた。
「うん。ほんと自分でもびっくりだよ」
「その陽さん、彼女いるんでしょ」
「んー、多分。」
「バカだねー。まだ若月の方がましなんじゃないかと思えてくるよ」
「ましって・・・」
「彼女いながら遊ぶ人より、彼女と別れてから遊ぶ人の方が、まだ善良でしょ」
「あー、遊びだよね。わかってるけど、言葉にすると、きついなー」
「あんま口出ししたくないけど、彼女持ちはやめなって。淋しいなら男紹介するからさ。年末休みいつから入る?」
「28からだけど、紹介とかはいいや。なんか、男断ちしないといけない気がする」
「そう言ってできてないじゃん。咲季見る目ないんだから、私に任せときなよ」
「そりゃそうかもしれないけど・・・」
へこむ私をよそに
最近同棲を始めてご機嫌な亜紀は
「いっくんが待ってるから」
と言って早々に帰っていった。