私って、男運がないと思うんです


「ごめん。俺バカで、咲季のこと傷つけた。でも、もうそんなことしない。ずっと大事にする。約束するよ」

そういいながら涙をぬぐう真弘の手を払いのけた。


「今日はもう帰って。いきなり、はいそうですか、なんて言えない」


しばらく私の様子を伺っていた真弘は


「わかった。今日は帰るよ。でもちゃんと考えてほしい。戻ってきて、咲季」


そう言って私の手に小さな箱を握らせて、部屋を出ていった。
< 95 / 202 >

この作品をシェア

pagetop