待ち合わせはあのカフェで



「ごめん、忘れてたわ」

「忘れんなよ!結構大事な事だからね?!」

「ごめん、ごめん」



神谷さんに言ってから一番最初に気づかなきゃいけなかった事なのに
本当に忘れてた。気づかなかった。



「個人で連絡取るとめんどくさいから、グループにしていいかな?」

「いいと思うけど、神谷さんに聞いてね」

「うん、それはもちろん」



何も言わずに勝手にグループ作るなんて迷惑な事しない。



「今一応連絡しとこ」



仕事中なんて分からないけど、連絡いれとけば
いつか返事返ってくるし。



「何食べようかなー…」

「そう言えば、意外と夜行った事ないよね」

「確かに。いつも昼とか夕方とか」

「お酒のボトルが置いてあるから、夜はバーになるのかと思ってるけど」

「あ、それは俺も思ってた」

「あ、やっぱり?」

「うん」



バーだったらどうしよう。って思ったけど
きっと陸人も同じ事思っているだろうし口にするのはやめた。

街灯が道を照らしている中お店が見えた。
閉めっ切った店内。
夜は、テラス席開けてないんだ。

お客さんは少なそう…

ドアを開ければ、昼や夜とは違うBGM
感じた事のない雰囲気。



「いらっしゃいませ」



男性の店員さんが、駆け寄ってくる。
って…



「え、皓太さん?!」

「涼太に陸人。お前ら大きくなったな」



ニコッと俺達に笑顔を向けたのは
俺たちが通ってるダンススクールの元インストラクター。
急に辞めて、どこに居るのかも何してるのかも知らなかったのに
ここで再会するなんて…



「え、ここは人との縁に何か関係してるカフェなの?」
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