待ち合わせはあのカフェで

コーヒーが美味しいお店でも有名らしく
いつもお店には男性のお客さんと女性のお客さんが
同じくらい居る印象。
わいわいにぎやかと言うより静かで落ち着いている。

テラス席とカウンター席もあって、他のカフェとは少し違う。
珍しいって言うか、最先端って言うか…

なんて言ったらいいか分かんねぇ。




「今日、混んでそうじゃない?」

外から店内を見た陸人がぼそっと言った。
確かに。、満席っぽい。

「まぁ、いつもより時間早いし。とりあえず入ってみよう」




お店のドアを開ければ、カランコロンと音が鳴ると同時に
「いらっしゃいませ」と店員の声。




「二名様ですか?」

「はい」

「カウンターのお席でしたらすぐご案内できるんですけども…」

店員が申し訳なさそうに聞いてくる。

「カウンターでもいいよね」

「うん、カウンターでいいです」

「ご案内いたします」




店員に席へ案内されるほんの数秒、店内を見まわした。
あの子の姿はない。




「こちらのお席どうぞ」



案内されたカウンターの席に座る。
目の前に、コーヒーメーカーがあったりグラスがあったりボトルのお酒が並んでる。
ボトルでお酒が置いてあるって事は夜はバーにもなるのかな。

メニューを見ていると、前からお冷を出された。




「お決まりになりました頃お伺いいたします」

聞こえた声にはっとした。
顔をあげれば、あの子と目が合う。

「こんにちは。いつもご来店ありがとうございます」
「あ、どうも」

今日もキラッキラの笑顔を向けられた。
やばい、もうそれだけでにやける。
< 3 / 21 >

この作品をシェア

pagetop