恋愛じかけの業務外取引
いろんなことを想像して慌てふためく私。
彼はリモコンで部屋の照明をつけ、眩しそうに目を細めてサラッと告げた。
「言っとくけど、マヤが脱がせって言ったんだぞ」
「えっ……」
自分でこっそり脱いだ、とかでもなく、彼の手によって脱がされた?
つまり、平たく言うと、パンツ見られた……!
「覚えてないのかよ。ちなみにホック外せって言ったのもマヤだからな」
さらにブラまで触られた!
疲れているときや酔って帰ったときにユリがやってくれることがあるから、寝ぼけて堤さんをユリだと思ったんだ、きっと。
ああ……もう恥ずかしくて泣いてしまいそう。
でも、これだけはちゃんと確認しておかねば。
「私たち、まさか事に至ってはないですよね?」
いくら好きな人とでも、こんな形では不本意だ。
お互いの仕事に悪影響を与えてしまうかもしれない。
「なんもしてねーよ。俺、もう32だよ? 横に寝たくらいで暴走するほどガキじゃない」
不幸中の大きな幸いに、ホッと胸を撫で下ろす。
私たちの間に大きな変化がなくてよかった。
「マヤが俺としたいってんなら、遠慮なく頂くけどな」
至近距離、しかも同じベッドの上で妖しい笑みを見せる彼。
「なっ……バッカじゃないの!」