君の瞳を信じて。
_キーンコーンカーンコーン…
もう授業終わったんだ…気づかなかった。
はやく放課後にならないかな、なんて考えちゃってた。だめだ、これじゃまるで、私が航のこと好きみたいじゃん。
それにしても、清水さ……妃、のこと気になる。だって、心奈もいる中でこんなに近づいてくれる人は初めてだったから。
でも…期待したらダメ…航だって、妃だって。裏切られては自分が傷つくだけよ。危ない…
黒板を見ると、
【4時間目は自習なので、各自しっかり勉強しておくように!】
とあった。
すると、妃が話しかけてきた。
「ねぇ、優奈。私、前の学校の方が授業が遅くて、今の単元全然やってないんだよね。自習中教えてくれない?」
え…
「…私で、いいの?」
「うん、私は、優奈に教えてほしいよ」
きっと、私が後ろの席だから。きっと、それだけ。
「わかった。いいよ」
「本当!?ありがとう!」
いい加減私も学ばなくちゃ。自分の立ち位置も。