君の瞳を信じて。
それから私は、心奈といるのが気まずくなった。気づかれないようにしたけど…
「うわぁ、ここちゃん、立花先輩と付き合い始めたんだ!可愛いしイケメンの彼氏もいて、自慢の双子の妹だね~」
「…うん…」
そうして、あの日から1ヶ月が経った。
「優奈…お願いがあるんだけど…」
心奈が、真剣な顔をして話しかけてくる。珍しいな…
「何?」
「あのね…私、樹先輩と別れたいんだよね」
「え…?」
なんで。なんで。なんで…?
「先輩から告白してもらったけど、別に私は、好きじゃなかったんだよね。初めてのことで、舞い上がっちゃってさ!成り行きでOKしたけど…やっぱ先輩のためにも、別れようかなーって。」
聞きたくない…
これは、弱い自分への罰ってヤツかな。
あ…ダメだ。もう涙が落ちそう。
唇を思い切り噛んで、こらえた。
「でも、先輩は私を好きでいてくれるし、言いにくいなぁと思って。だから…」
「優奈、先輩に言ってくれない?お願い!」
「わかった…」
口の中が、鉄の味。
唇が切れて、血が出ていた。
悲しい味。