君の瞳を信じて。
「やばいよ、本当に遅刻しちゃうー!優奈、どうしよう!」
その通り。周りには誰もいないし…

「どうするって、走るしかないでしょ!」

「優奈ぁ…もう疲れたぁ…」
え!?こんなときに!

「だめだよ!遅刻するよ、こんな時に歩いてなんていられない…」
すると、前の方に自転車に乗る二人組を発見。いいなー私達も乗りたいよ…

「あ、自転車。あれは…酒井くんと藤田くん?」

「え、藤田って、藤田航?」
たしか昨日、“友達”になったんだよね。

「知り合いだったの?違うクラスなのに優奈が知り合いなんて、珍しいね。うち3組だけど、2人はとなりの4組だし」
心奈は有名だし、ほとんどの子が知り合いだから、誰と友達でも不思議じゃない。ていうか、航は4組なんだ…

「ま、まあね、昨日ちょっと。」

「ふーん…よし!あの2人に乗せてもらおうよ!」

「え!?」
いくらなんでもそんなことしてくれるわけ…あるか。心奈だしね。

「酒井くーん!藤田くーん!自転車乗せて!」

「心奈?いーよー!こっち来てー!航、お前もいいだろ?優奈ちゃんの方乗せてやれよ」


「わかった。」

(私酒井くん狙いだから♡優奈は藤田くんと知り合いみたいだし…優奈は藤田くんと乗ってくれる?)

(いいよ。)

「おー、優奈おはよう。遅刻するから早く乗れよ。」

「うん、航ありがとう!」

「航〜早く行くぞ」

「おう!」
一緒にいる、酒井くん…?とは仲いいのかな?

「優奈、今日の放課後も図書室行く?」
別に行く用事ないけど…
「行く!」
って答えてしまった。
「じゃ、俺も行くから!待ってろよ」
…!やった!
「待ってる!」


自転車のおかげで、私達はなんとか遅刻せずにすんだ。

でも、私はあの約束で胸がいっぱいだった。
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