今日失恋しました。
あたしを好き!?
その時、誰かが走ってくる音が聞こえてきた。
その足音が段々こっちへ近づいてくる。
まさか、海斗君?
そう思って顔を上げるとそこにいたのは……
村田だった。
え、どうして村田がここに?
「やっと見つけた。」
村田がハアハアと荒い息をしながら言う。
もしかしてずっと探してくれてたの?
「どうして…。」
「またそんな顔してる。何があったの?
今度こそ話してくれないかな?」
「大丈夫だよ。全然なんともないから。」
と言ってパッと顔をそらして涙を拭いた。
「強がるなよ!」
いきなり村田が大きな声で言って、あたしの肩がビクッと震える。
いつも余裕そうでみんなに優しい村田じゃない…。
今は顔を歪めて辛そうな顔をしていた。
「怒鳴ってごめん。
でも安藤に頼って欲しいんだ。
一人で悩んで傷ついてほしくない。」
村田は俯きながら言う。