スイッチ


《淳》


家に帰って先程のやりとりを思い返してみると、我ながら嫉妬心丸出しで情けない告白だったと思う


それでも涙を流して必死に気持ちを返してくれた宇美


俺の腕の中で泣きじゃくる宇美が愛しくて愛しくて

もういっそ、このまま俺の腕の中にずっと収めておきたいなんて思った俺は、結構重症だと思う



『私も………淳が好き』



あの一言だけで、さっきまであんなに悩んでいた気持ちが嘘みたいに晴れて、ありのままの自分を受け入れてもらえたことに幸せを感じた



こんな気持ち、初めてなんだ



相手が宇美だから思えた


宇美だからこんなに嬉しくて、幸せで


俺の全部で絶対笑顔にしたいと思った



そんな、素敵な気持ちをもらったこの夜を俺は絶対忘れることはないだろう

< 102 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop