スイッチ


「何言おうとしてんの?」


「え………あ、はよ淳」



何か言いかけていた聡君の言葉は、朝練から帰ってきた、たった今教室に入ってきたばかりの淳によって遮られてしまった



「お前、絶対今変なこと言おうとしてただろ………」


「いや、昨日の淳は珍しいかったからさ、宇美に教えてやろうと思っただけじゃん」


「マジでやめてくれ……

絶対宇美には言うなよ」




さっきから私に聞こえない声でコソコソ2人で話し込んでしまって、さらに私の頭の中の?マークが飛び交う



聡君とじゃれ合ってる淳の姿を改めて見ると、なんだか胸がソワソワして、ギュってして、けど嬉しくて


あぁ、私の彼氏なんだ



なんて、また顔が火照ってきてしまう



そんな私の考えが伝わってしまったのか、バチっと淳と視線が交わった



「宇美、おはよう」


「お、おはよう!」



ただの挨拶なのに、ドキドキまた胸が騒ぎ出して、淳の笑顔が眩しすぎて、気づけば俯いてしまった
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