スイッチ



「宇美ー!!ちょっとちょっと!!」



授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、先生が教室から出て行った瞬間、クラスの友達の香澄がいきなり私の席に走ってきた



「どうしたの?そんな急いで」


「どうしたの?じゃないよ!!
ちょっと来て!!」


「えっ?えっ?ちょっ……」




そう言って私の腕を掴んだと思ったら、教室を出て、廊下の隅に追いやられた



「で!?私に報告あるよね?」


引っ張っていた腕を離してくれたと思ったら、厳しい面持ちで問いかけられる


「報告?」


「朝の斎藤君とのあの甘い雰囲気はどういうことよ?

絶対何かあったでしょ!?」



「あ、甘い雰囲気って……」



そんな雰囲気出てた……?



「斎藤君の事、好きになったとは聞いてたけどさ、その後の報告何も聞いてないんだけど!?」



どんどん壁に追い込まれた私は、とうとう身動きが取れなくなってしまい、香澄の問い詰めてくる迫力に勝てる訳もなく、今までの淳との経緯を話し始めたんだ

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