スイッチ
「ちょっと、いつの間にそこまで進んでるのよ!」
昨日から付き合うことになったという所まで説明し終わると、香澄が驚いたというように、けど少し怒ってまた私に問い詰める
「いや……私もまさかこんな風に付き合えるなんて思ってなくて……
報告遅くなってごめん」
香澄のあまりの強い視線に勝てなくて、自然に謝罪の言葉が出ていた
そうしたら
「まぁ、私も正直宇美と斎藤君がくっつくなんて思ってなかったら、あんまり話聞いてあげられなくてごめん」
先程までの迫力はなくなり、少し申し訳なさそうにそう言ったんだ
「けど、良かったね
もう2人は幼馴染じゃなくて、彼氏彼女なんだね
なんか変な感じ!」
「そうだよね……私もまだ変な感じだもん」
「何言ってんのー!付き合い始めの今が一番楽しい時期なんだから、名一杯楽しまないと勿体無いよ!」
香澄は年上の彼氏がいて、過去にも何人か付き合ったことがあるって言ってたから、私よりもずっとずっとよく【付き合う】ってことを分かっているんだろう
「楽しい時期かぁ……」
「そうそう、ただ一緒にいるだけで楽しくて
手繋いだり、いつキスするのかな、なんてドキドキしたり、もう最高に楽しいじゃん!」
キ……キスって……
そんなに簡単にポロっと出せるフレーズだっけ……?