スイッチ
いつもと違う帰り道
部活に入っていない私は、基本的に授業が終わったらすぐ家路につく
放課後残る日は、委員会がある日や友達の用事を待つ日くらいだ
なので、こうして放課後残ることはごくわずか
私が入っているのは図書委員会
元々本が好きだったし、何か委員会に入らないといけないとなった時、自然と立候補の手を挙げていた
「お!ちゃんと覚えてた!偉い偉い!」
放課後図書室の前で、昼間話をしていた聡君に呼び止められた
「ちゃんと覚えてるよー!」
「いやいや、宇美のことだから万が一も考えてましたよ、俺は」
聡君は、昼間みたいにお兄ちゃんな面もあるけど、大体は意地悪だ
「あれっ!淳も今からー?」
どきっ
聡君が私の後ろに向かって声を飛ばしたので、私はその名前に反応しながらも、反射的に後ろを振り向いた
「おー!何?二人ともこれから委員会?」
そこには、今から部活に向かうであろう、制服に大きな部活用のバッグを持った淳の姿が