スイッチ


「‥‥‥」



川崎の言葉に何も返せない俺は、逃げるように自分のロッカーにあったタオルを手に取り、汗を拭くと見せかけて顔を隠す



「まぁ、お前らのペースがあるだろうけど、水原だって恥ずかしがってるだけで、もしかしたら期待してるかもしれないだろ?」


「いや、それはない」


何故かこの言葉は、すぐに俺の口から飛び出した


「何で?」


「あいつ、手繋いだり、少し抱きしめただけで顔真っ赤にして苦しそうにするんだぞ?

それ以上なんて、熱出して死んじまう」



「そんな大げさな!!

ってか今のは惚気か!?何だよ、何も進んでないと思いきや、結局イチャイチャしてるんじゃねーか」



「そのイチャイチャってやめろって‥‥」



何で俺の周りの奴らは異様にこの言葉を使うんだ‥‥‥

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