スイッチ
「宇美お待たせ!」
いつものように教室の前の扉から、少し額に汗を浮かべた淳が入ってくる
"彼氏"そのフレーズが頭に浮かび、思わず頬が緩みそうになるけど、必死でこらえた
「部活お疲れ様」
「ん、帰ろっか」
そう言って、左手を差し出してきた淳
「えっ」
「何?この前、手繋いだら喜んでたじゃん」
喜んでたよ
淳からそんな風に手を差し出してくれるなんて、すごくすごく嬉しいよ
だけどーー
「だって、まだ学校沢山人残ってるし………
恥ずかしいんだもん」