スイッチ


「珍しいな、こんな時間まで残ってんの」


「あ、うん
今日委員会の当番だったんだ」


「そっか!ちょうどいいや!俺も今部活終わってさ、一緒に帰ろうよ」


「あ、いや……「悪いけど、こいつ、俺と帰るから」



吉田君の誘いを断わろうかと口を開いた途端、飛び出すはずの言葉は私の前を歩いていたはずの淳によって遮られた


そして、私の右手はいつの間にか、温かくて大きな淳の手に包まれていた



「………えっ?何?

2人ただの幼馴染だろ?」



手を繋いだ私達の姿を見て、驚いた表情をした吉田君が問いかける


驚くのも無理ない


昨日、私の口から「淳とは幼馴染」と言っていたばかりなのに、この繋いだ手は、吉田君から見たら意味不明だろう




けどーーー



「俺ら昨日から付き合ってるから」



淳の口から、この繋いだ手の意味を告げた

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