スイッチ


「………え?いや、水原昨日そんなこと全然………」



そんなに驚いたのか、吉田君は少し言葉を詰まらせながら聞いてくる



「昨日話した時は違ったんだけどね、今は付き合ってるんだ」


自分から"付き合ってる"宣言はなんだか照れてしまったけど、本当のことだから

宣言したっていいよね?



「そーいうことだから
あんま宇美に近づきすぎないように」


「えっ」


淳がそう言ったと思ったら、昨日みたいにいきなり手を引かれて昇降口に向かってどんどん足を進めていく


軽く後ろを振り返ると、吉田君はその場から一歩も動かず、ずっとこちらを見ていた



「淳?吉田君何か用があったのかもしれないよ?

いきなり帰ったら失礼じゃない?」



そう聞いたのに



「もう用無くなっただろうからいいんだよ!

………ってか、宇美ってやっぱり鈍すぎだろ」


「え?何て言ったの?」



最後の方の言葉は聞き取れなくて



「何でもない!帰ろ!」



結局そう言って優しく笑うから、ただ頷いて後をついていくしかできなかった
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