スイッチ


「ねー、どうしたの?……もしかして、どこか具合悪いの?」



今度は心配しだした宇美



コロコロ変わるその表情は、ずっと見ていても全く飽きない



「何でもないよ」



ただ、色々心配事が増えただけ





「…………さっきから、そればっかり

何でもあるから、ボーってしてるくせに」




今度はちょっと拗ねたのだろうか



いや、俺が何でもはぐらかして話さないから、落ち込んだのか?



どっちにしても、どんな姿でも愛しすぎるから、今こんなに困ってるんだよ




「宇美、頼むから、あんま可愛い顔しないでくれる?

俺、今それで困ってんの」



少し落ちた表情の宇美に弱い俺は、素直に打ち明けたら



「へっ!?」



今度は頬を赤らめ、また俺を魅了する




「そういう顔、他では禁止な」




赤く染まった頬を空いた右手で軽くつねると、今度は俺の顔が熱くなったのが自分で分かって、宇美の手を引いて、また歩き出した

< 125 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop