スイッチ
「ねー、どうしたの?……もしかして、どこか具合悪いの?」
今度は心配しだした宇美
コロコロ変わるその表情は、ずっと見ていても全く飽きない
「何でもないよ」
ただ、色々心配事が増えただけ
「…………さっきから、そればっかり
何でもあるから、ボーってしてるくせに」
今度はちょっと拗ねたのだろうか
いや、俺が何でもはぐらかして話さないから、落ち込んだのか?
どっちにしても、どんな姿でも愛しすぎるから、今こんなに困ってるんだよ
「宇美、頼むから、あんま可愛い顔しないでくれる?
俺、今それで困ってんの」
少し落ちた表情の宇美に弱い俺は、素直に打ち明けたら
「へっ!?」
今度は頬を赤らめ、また俺を魅了する
「そういう顔、他では禁止な」
赤く染まった頬を空いた右手で軽くつねると、今度は俺の顔が熱くなったのが自分で分かって、宇美の手を引いて、また歩き出した