スイッチ









「、、、単純」


図書室の一番奥の席に腰掛けてから、やっとの思いで打ち明けた私の気持ちに対して、この一言で返した聡君


ちょっとひどくない!?


そう叫びたかったけど、目の前ではもう委員会の議長が話を始め出していたので、声をあげたくなる気持ちを必死に抑えた


その声の代わりに、ギロッと聡君を睨むと、彼は少し呆れたように周りに聞こえない声で話し出した



「前から単純な奴だとは思ってたけど、単純すぎだろ

まぁ、淳はいい奴だから好きになるのは別におかしな事とは思わないけどさ、お前態度変わりすぎ

好きな子いじめる小学生男子並みに、行動おかしくなってるから

そんなんじゃ、何も進まず、ただおかしな幼馴染で終わっちまうぞ」



ザクッッ




正論を並べられて、あまりの自分の幼稚具合に反論の意は消えてしまっていた



「だって、、どう接したら良いか分からないんだもん

急にこんな気持ちに変わっちゃって、淳目の前にしたら緊張しちゃって、、

今迄どんな風に接してたか思い出せないの!」





「、、、なんだ、宇美も可愛いとこあんだな」


「はっ?」


人がすごく悩んで打ち明けてるのに、こんな時に冗談?って思ったらーー



「別に無理に今迄と変えようとしないで、宇美がしたいように淳に接すればいいんじゃね?

いつもみたいに楽しかったらニコニコ笑って、悲しかったら泣けばいいじゃん。

それが一番宇美らしいし、その単純さが宇美の魅力なんだから、そこ淳にアピれば?」




単純さが魅力、、、



それは初めて言われた言葉で、予想もしていなかった言葉が返ってきて反射的に照れてしまった自分がいた


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