スイッチ
「単純さをアピール、、、」
「そうそう。今の幼馴染のままでいたい訳じゃないだろ?
だったらアピールしないと、彼女に昇格なんてできないぞ?」
「か、か、彼女!?」
思いがけない単語に、委員会中ということも忘れて、大きな声を出してしまっていた
「水原さん、委員会中は私語は慎んでくださいね!」
案の定、委員会担当の先生に名指しで注意を受けて、周りから笑われてしまう始末
「すみません!」
恥ずかしい、、、、
「バーカ」
聡君はまた呆れ顔でボソッと呟く
「なんでそんな"彼女"のフレーズに引っかかるわけ?
お前は恋愛的な意味で淳のこと好きになったわけだろ?
だったら彼女になりたい、いちゃいちゃしたいって思うんじゃねーの?」
またしても聡君からとんでもない言葉が出て、大きな声が出そうになったけど、必死にその気持ちを堪え、小声で話す
「な、な、な、、いちゃいちゃなんて、そんな私はただ、淳も私のこと幼馴染としてじゃなくて女の子として見てくれたらいいなって思っただけで、付き合いたいとか、それ以上とか全然考えてなかった」
「けどさ、好きってなったら自分のものにしたいって思うじゃん?
今はそんなに欲なくいれるかもしれないけど、絶対そのうち欲張りになるはずだって。
自分だけを見てほしい、彼女になりたい、好きな相手に触れたい、触れてほしい。
それが本当の好きだって俺は思うけどな、、、」
その時、聡君のまとう雰囲気がいつもと少し変わったことに気づいて、聡君もそんな気持ちを抱いたことがあるのかな?って、気になって聞いてしまった
「聡君もそんな風に思ったことあるの?」
「、、、まぁ、人並みに?」
珍しく少しぎこちない笑顔で返すもんだから、それからは深く聞くことはできなかった