スイッチ
水原宇美とは生まれた時からお互い家がお向かいさんで、世間一般で呼ばれる幼馴染の腐れ縁だ
俺より少し後に生まれた宇美は、幼い頃から小さくて病気がちな部分もあってか、勝手に自分が守らないとという兄心が芽生え、近くで見守ってきた存在だった
それは高校生になった今でも変わっておらず、背は平均的には伸び、背中に流れる黒髪は男心をくすぐるとクラスの男子が話したりしているが、俺にとっては昔からの宇美のイメージのままで
小さな体で一生懸命俺の後を着いてきて、泣き虫なくせに、素直に甘えることが苦手だから憎まれ口をたたいてしまう
そんな妹みたいな存在だったのに、、、
いつからそんな、女みたいなことするようになった?
微かに触れた唇は少し冷たくて、そして、震えていた
『それじゃ、また明日ね!』
離れた顔は今まで見たことないくらい、真っ赤になっていてーー
その顔が頭から離れない