スイッチ
「あ……」
そこには、明らかに眠たそうな顔をした宇美の姿が
思わず、すぐ横にある曲がり角の影に隠れてしまった
「宇美ー?あんた、こんな早く学校行くの?」
塀の影からこっそり覗くと、宇美のおばさんの姿も見えた
「うん、ちょっと用事あるから」
あ、嘘だ
宇美は嘘をつく時、へにゃって、ちょっと焦ったように笑うから
そんな癖も、もう分かってる
「そう?あんた昨日帰ってから、何かおかしいから、、ぼーっとしないで気をつけて行きなさいよ」
「わかってるよー!行ってきます!」
そう言って、宇美はこちらに歩き出した
やばい!!
こっち来る!!
こちらまで歩いて来られてしまっては隠れる場所がない俺は、とっさに宇美が歩いてくる道に背を向けた