スイッチ


教室までの道のりはすごく足が重たかった


何だよ………


『吉田、水原のこと結構マジみたいだから』


さっきの言葉がやけに引っかかってしまって、思わず眉間にしわが寄っていた



別に、俺には関係ないことなのに



今までだって、宇美に気がある奴なんていた


そいつにアドバイスしたことだって……実はある


今回が別に初めて直面した出来事でもないのに





それなのに、なんでだよ……



こんなに落ち着かないなんて


これじゃまるで、さっきの言葉が事実みたいじゃねーか



『お前、実は水原のこと好きだろ?』



そんなはずないのに………


おかしいよな、こんな気持ち



そんな自分の気持ちと格闘しながら、気づけばもう自分のクラスの教室の前だった


< 33 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop