スイッチ
がやがや
まだ扉を開けてもいないのに、廊下までにぎやかな声が聞こえてくる
その時かすかに聞こえた、宇美の声
どきっ
中にいる………
「お、淳！はよー！」
どすっ
後ろから元気な声が聞こえたと思ったら、勢いよく背中をたたかれた
「はよ……聡、痛いんだけど」
「悪い、悪い」
これは悪いと思ってないな
「なに、淳中入らねーの？」
廊下で立ち尽くしていたら、そりゃそう思うよな
「今入ろうと思ってたんだよ」
ガラガラガラ
正直、一人で入る勇気がなかった所だから、聡が来てくれて助かったな
そして、教室に入った瞬間、真っ先に見つけてしまった
楽しそうに友達と話している、宇美の姿をーーー
