スイッチ





………あれ?

痛くない……当たってない?



そーっと目を開けてみると、
そこには見慣れた背中があった

「宇美大丈夫か⁉︎」

私に当たるはずだったその球体は、
見事に淳のグローブに収まっていたんだ

いつもの背中なのに、
いつもの声なのに、
なぜか胸がざわざわ騒ぎ出して落ち着かない

「だ……大丈夫」

そう言うのが精一杯


「ここらたまに反れ玉飛んでくるから、
気をつけろよ?

お前運動神経ないから避けられないだろ?」


こんなムカつく事言ってるのに、
いつもなら絶対絶対言い返すのに……


「ん

ごめん、ありがと淳」

これしか言えなかった
< 4 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop