スイッチ
………あれ?
痛くない……当たってない?
そーっと目を開けてみると、
そこには見慣れた背中があった
「宇美大丈夫か⁉︎」
私に当たるはずだったその球体は、
見事に淳のグローブに収まっていたんだ
いつもの背中なのに、
いつもの声なのに、
なぜか胸がざわざわ騒ぎ出して落ち着かない
「だ……大丈夫」
そう言うのが精一杯
「ここらたまに反れ玉飛んでくるから、
気をつけろよ?
お前運動神経ないから避けられないだろ?」
こんなムカつく事言ってるのに、
いつもなら絶対絶対言い返すのに……
「ん
ごめん、ありがと淳」
これしか言えなかった