スイッチ




ヤキモチ………




まさか自分が宇美に対して、こんな気持ちを抱くなんて……


昨日までの俺は、こんな気持ちになるなんて、みじんも思っていなかったのに、気持ちってのは不思議なもので、一度スイッチが切り替わると、全てが変わってしまうみたいだ




「さっき、何で遅くなったん?」



授業が終わって真っ先にそう聞きに来ていた俺は、きっと不機嫌な顔をしていたと思う




それでも笑顔で返してくれた宇美を見て、気づけば先ほどの苛立ちとか嫉妬は消えていた


昔からこいつが笑ってくれるのを見るのが好きだった


泣いてる顔は見たくなくて、悲しんでいる姿を見ると、どうにかしてやりたいと思っていた



それはずっと兄心だと思っていたけど、実は違ったのかもしれない


本当はずっと気づかないふりして、隠して、自分に言い聞かせていただけなのかもしれない


だって、今こうして俺に向けて笑顔を向ける宇美を抱きしめたくてしょうがないから



”幼馴染”もうその言葉で縛られたくないから











俺は、宇美が好きなんだ………








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