スイッチ
………今のは一体、何だったんだろう
嵐みたいな人だな……
颯爽と去っていった背中を見ながら思う
同じクラスの吉田……確か、晴斗君
悪いけど、下の名前が本当に合ってるか怪しいほど、同じクラスとはいえ接点がない人だ
吉田君はバスケ部で、学年全体でも比較的派手目なグループにいて、少し近寄りがたい存在で
あと、女子からも人気の人だから、勝手にチャラチャラしたイメージを持ってしまっていて、余計苦手意識を持っていた人でもあった
そんな彼が私のことを誘うとか………私、何かしちゃった?
そんな不安が押し寄せたけど、どんなに考えても思いつかない
分からないものはしょうがないので、あんまり深く気にしないことにして、そのまま図書室へと足を向けた