スイッチ



「それじゃ、また月曜日ね」


「ん」



そうして、宇美は軽く手を振り、自分の家に向かって行った



なんとなく離れがたくて………



「宇美!」


気づいたらそう、呼んでいた


「えっ?」



いきなり呼んでびっくりしたのか、少し肩を上げてこちらに振り返った



「あのさ、日曜の昼から空いてる?

俺部活昼までで、買い物付き合ってほしいんだけど!」



「あっ空いてる!買い物一緒に行こ!」



必死にそう答える宇美が可愛くて、自然と顔が緩んでしまった



「じゃあ、また詳しい時間連絡するな!」



「うん!……楽しみにしてるね」



そうして満面の笑みで手を振って、宇美は自分の家に入って行った



その背中を最後まで見送って、俺も自分の家に入った



日曜日も一緒にいられる



それが思っていたより嬉しかったらしく、リビングでテレビを見ていた妹に


「お兄ちゃん、何ニヤニヤしてるの?

気持ち悪いんだけど………」



そんな毒舌を吐かれてしまって、


「うるせー
ニヤニヤしてないから」


そこから必死に平静を装って、駆け足で2階の部屋に上がって行った

< 54 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop