スイッチ
「それじゃ、また月曜日ね」
「ん」
そうして、宇美は軽く手を振り、自分の家に向かって行った
なんとなく離れがたくて………
「宇美!」
気づいたらそう、呼んでいた
「えっ?」
いきなり呼んでびっくりしたのか、少し肩を上げてこちらに振り返った
「あのさ、日曜の昼から空いてる?
俺部活昼までで、買い物付き合ってほしいんだけど!」
「あっ空いてる!買い物一緒に行こ!」
必死にそう答える宇美が可愛くて、自然と顔が緩んでしまった
「じゃあ、また詳しい時間連絡するな!」
「うん!……楽しみにしてるね」
そうして満面の笑みで手を振って、宇美は自分の家に入って行った
その背中を最後まで見送って、俺も自分の家に入った
日曜日も一緒にいられる
それが思っていたより嬉しかったらしく、リビングでテレビを見ていた妹に
「お兄ちゃん、何ニヤニヤしてるの?
気持ち悪いんだけど………」
そんな毒舌を吐かれてしまって、
「うるせー
ニヤニヤしてないから」
そこから必死に平静を装って、駆け足で2階の部屋に上がって行った