スイッチ


《宇美》




なんだ、なんだ、なんだ!



家に入った瞬間、今のやりとりが夢じゃないかと、自分の右頬をつねる



「痛い………」



思っていたよりも強くつねってしまった様で、手を離した後も少し頬がヒリヒリする



いつも通りなんだけど、ふと、いつもと違う淳が出てきている気がするのは、私の気のせいだろうか………



差し伸ばした手は、優しく握ってくれて、せっかくの数少ない部活休みの時間にもかかわらず、私を誘ってくれた



期待しすぎたくないけど、期待してしまっている私がいる



少しは私のこと意識してくれてるのかな?



幼馴染から、少しは前進できた?



そんな、自分の都合の良い期待ばかりが膨らんでしまうよ



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