スイッチ


「へっ!?」



予想外の質問に、声が裏返ってしまっていた


「へー…………もの好きな奴がいるんだな」


「ちょっ!どーいう意味よ!」


「別にーそのまんまの意味

で?そんなに散らかしておいて、服決まったわけ?」



荒らしに荒らした服達を冷たく見下ろす想宇



「………まだだけど」



そうだ!


「想宇なら、どんな服装が好き?

光ちゃん、いつもデートの時、どんな格好で来る?」



こんな生意気な弟でも、"光ちゃん"っていう、アイドル並みに可愛い彼女がいたりする


ただ可愛いだけじゃなくて、いつも家に遊びに来る時は私たち家族にしっかり挨拶してくれて、手土産まで持ってきてくれるしっかり者だから、今では家族全員光ちゃんファンだ


だから参考程度に聞こうとしただけなのに、



「いや、宇美と光じゃ素材が違いすぎて、参考にしても無駄だって」



この冷たい返答………



「お姉ちゃんに向かってそれはないんじゃないの!?

そんな意地悪なこと言うと、今度光ちゃんに想宇の恥ずかしい写真見せちゃうから!」



「なっ!!」



一瞬で"ヤバい"と慌てた表情になる



「分かったよ……

服、一緒に選んでやるから、絶対光に変な写真見せんなよ!」



想宇はそう言って仕方ないという面持で、その場にしゃがみ込むと、私が荒らした服を丁寧に畳みながら、物色し出した


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