スイッチ
ドキッ
まさかの淳の名前に、肩が上がってしまった
「………恥ずかしいから嫌だ」
だって本人なんだもん
さすがに聞けないよ
「何が恥ずかしいん?」
「恥ずかしいものは恥ずかしいの!」
「ふーん……俺、トイレ」
何も気にしてないように、そう言って想宇は部屋を出て行った
そりゃあ、素直に聞けたらどんなに楽か
最近は頑張って、淳に対して素直に接してるつもりだけど、いざ踏み込んだ質問をするのは、まだ今の私にはハードルが高いなぁ………
「………で……んの…は…………」
ん?
扉の外から想宇のかすかなしゃべり声が聞こえてくる
あれ?
トイレ行ったんじゃないの?
光ちゃんと電話かな?
そんなことを思っていると………
ガチャ
「うん、うん、淳君ありがとう!
またね!」
スマホを耳に当て、会話をしながら想宇が戻ってきた
って………えっっ!?
今、"淳君"って言ったよね!?