スイッチ


「ちょっ、想宇!?」


「なんだよ
宇美がウジウジしてるから、俺から淳君に聞いてやったの」



聞いてやったのって………そんな簡単に…


でも………




「……淳は何て?」



「飾らない感じが好きらしい

あと、スカートとか?

……とりあえず、男ならみんなスカート好きだろうから、スカート履いてけば?」




それは………随分ざっくりな……




「スカートかぁ………」


手持ちのスカートを並べ始めた所で、ふと、一つのスカートに手が止まる



「ん?それ、淳君からもらったやつだろ?」



そう



私の手には、去年の誕生日に淳におねだりして買ってもらったスカートが


落ち着いたきれいなピンク色に大ぶりな柄がプリントされたスカートは、キレイにも可愛くも合わせられてすごく気に入っている



「それでいいんじゃない?
で、これとこれ合わせて、カーデ羽織って足元は少し外してスニーカーで………完璧だろ」



あれよあれよという間に、コーディネートを完成させた想宇は、誇らしげにそれを私に見せつけてくる



「……可愛い」



悔しいけど、そのコーディネートはすごく可愛くて、想宇のセンスの良さが引き立っていた



生意気な想宇なのに、なぜか昔からモテているのは、こういう所もあるのか………


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