スイッチ
鏡でしっかり見た自分の姿は、思っていたよりも最悪で、あんなに少しでも可愛く見られるよう、想宇の力を借りて張り切って準備した成果は微塵もない……
「我ながら乱れ過ぎでしょ……」
思わずそうこぼしてしまったが、
とりあえず、持っていたショルダーバッグからポーチを取り出し、くしを取り出して整えて
額の汗はハンカチで拭き取って
コロンを軽くふりかけて
……これで大丈夫かな?
少しはマシな姿になったのをしっかり確認して、淳の元に戻った
「お待たせしました!」
「お、さっきとは別人だな(笑)」
「………ふんだ」
「拗ねんなって
俺がプレゼントしたスカート、はいてきてくれたんだ」
気づいてくれた……それがすごく嬉しかったんだ
「うん!……似合いますか?」
ふざけてスカートの両はしを持ち上げて淳に向き直ってみたら
「うん、可愛い」
予想外に笑顔でそう返すから、顔が熱くなってしまった