スイッチ
「あっ淳買い物だよね?どこ行こうか?」
こそばゆい雰囲気にいたたまれなくなって、話題を切り出した
「そうそう、朱莉の誕生日プレゼント一緒に選んでもらいたくてさ!
どこ行くのがいいかな?」
「そっかぁ!朱莉ちゃんの誕生日そろそろだったよね!」
"朱莉ちゃん"とは淳の妹で、想宇と同い年だ
お向かい同士、4人みんな年が近いのでよくみんなで遊んだなぁ……
「誕生日、来週なんだよ
もう中3だからか、兄貴の俺が選んだプレゼントじゃ気に入らないみたいでさ、去年はボロボロに文句言われて……
宇美と好み似てたと思うしさ、参考に色々教えてくれよ」
「もちろん!それはぜひ協力させてよ!
じゃあ、ちょっと出た方がいいかなぁ……
最近できたショッピングモールの方行ってみる?」
「ああ、宇美に任せるわ」
「じゃ、早速行こ行こ!」
久しぶりの淳とのお出かけで気分はルンルで、自然と足が速くなる
それに気づいたのか、
「宇美、あんまはしゃぐなよ
絶対転ぶから」
淳が隣に追いついて、止められた
「大丈夫だよー!」
「そう言ってる内が一番危ないから
いつもそれで転ぶくせに……」
「なっっ!!そんなことないもん!!」
「だから、ほら………」
目の前に出された淳の左手
「えっ?」
とっさのことでよく分からなくて、その差し出された手を見て固まってしまった